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マヌエル・プイグは大好きな作家のひとりで『蜘蛛女のキス』はもう何度読んだかわかりません。ゲイで囚人のモリーナが同じ囚人の政治犯に夜ごと語って聞かせる映画の魅力的なこと。
もともとは映画監督を目指していたものの結局断念して作家になった人なので、映画に対する愛情が半端じゃなくて、作品の中にも映画がよく登場します。この本は最後の短編になりましたが、後書きによると一番最後のグレタ・ガルボが出てくる話は、病床での口述筆記だったそうです。
この本も映画に対する愛情がとても感じられましたが、とても古い作品が多くて、スウェーデン出身のグレタ・ガルボくらいしか映画の情景が浮かぶものがなかったので、少し残念でした。
ところで、グレタ・ガルボといえば、もう随分前になるけど学生時代に名画座で主演作品のアンナ・カレーニナと椿姫を2本立てで見て、凛とした綺麗な女優だなぁと思ったことを懐かしく思い出しました。
この本の装丁もグレタ・ガルボが使われていて、主演したマタ・ハリはグレタ・ガルボの主演映画の中で興行的には一番成功した映画だったそうです。ため息が出るくらい綺麗ですね。