うーむ、こんな作家がいたのかと正直驚きました。
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著者はアイスランド出身で、サラリーマンでもあるみたいです。タイトルに1月から12月までとついた12編の短編集で、どの作品も熟年夫婦のやりとりが綴られています。短い文章なのに情景が自然とイメージできるし、会話のやりとりもセンスの良さがうかがえます。これまで問題なく暮らしていたのに、ちょっとしたことで思わぬ方向に話が進んでいき、すとんと物語が終わるという…、ものすごく上手いです。
長年連れ添った夫婦で相手のことを理解しているようでも、その間には深くて暗い溝が横たわっているということでしょうか。
どんな人でも、外に出さずに墓の中まで持っていくべき言葉や思いがあり、我々はその重みを背負って生きていかなければならない、というのがこの本から学んだ教訓です。
いやぁすごい本でした。