どうやら2年ほど前にアマゾンの古本で購入したようです。多分、ダニエル・カーネマンの著作を読んで、行動心理学に興味を持ったんだと思いますが、多分このたび初めて読みました。
軽い感じの書きぶりですが、なかなか分かりやすく説明してあるし、例も適切で説得力のある内容でした。
SWAYというのは訳しにくい言葉ですが、逸脱、影響、支配などの意味で使われています。
そのSWAYの法則として以下の7つ挙げています。
1.損失回避の法則
損失の可能性を何としても避けようとする
2.コミットメントの法則
あるし物事に時間や労力やお金をかけたあとでは、それがうまくいかないとわかっても止めることができない
3.価値基準の法則
客観的なデータではなく、最初の印象にもとづいて人やものの価値を判断する
4.評価バイアスの法則
ひとたびある物事に評価をくだすと、それに反する証拠が見えなくなる
4.評価バイアスの法則その2
評価ラベルをつけられた人は、実際にラベルどおりの特徴を身につける
5.プロセスの公平性の法則
結果の損得よりも手続き上の公平性を重視する
6.金銭的インセンティブの法則
報酬の可能性をちらつかされると、かえってモチベーションが下がる
7.グループ力学の法則
4人に3人は間違いだとわかっていながらも大多数の意見に従う
最後の章でSWAYを打ち破る上でのポイントをいくつか挙げていますが、長期的視点から見ることや、過去にとらわれないこと、評価を確定させず異なる情報もすすんで受け入れ結論を出す前にじっくりと異なる角度から考えること、反対者の存在を尊重しその意見を吟味することなどです。
なかなか思い込みから抜けるのは難しいですが、今自分の考えは思い込みしてないか、と常に問いかけることが大事だということですね。