『ドクター・スリープ』はキングの代表作のひとつ、『シャイニング』(この作品は好きだけれどとにかく怖かった)の続編です。
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作者自身の後書きによると、1998年に刊行された『骨の袋』(この作品もとても好きだけれど、悲しい物語だ)のプロモーションの際に、あるファンからシャイニングの主人公の少年はあれからどうなったのかと聞かれ、キングさんもそのことがずっと気になっていて、2009年のある日、続編を書くことを決意し、ようやく2013年に刊行されたそうです。
キングファンの間でも待望の続編で、米国でも非常に話題になってました。それから2年間、待ちに待っていた翻訳が今年の6月に刊行され即購入したのですが、すぐに読むのが惜しくてしばらく後回しにしていました。
そろそろ我慢できなくなってきたのと、上下巻2段組みで650ページ強の長編だし、読み始めるとやめられなくなるので、この三連休に腰を据えて読むことにしました。
結局、2日間で読んでしまい、読了後のすぐの感想は、怖さよりも懐かしさの方が全面に出ていて、まさにファンのための作品でした。
シャイニングのときの主人公の少年もすっかり大人になっていてアルコール依存性から立ち直るという辛い経験をしていたり、同じかがやきを持つもうひとり主人公の少女と一緒に悪に立ち向かっていくという妙に泣けてくるストーリーでした。
前回のときは料理人の人が師匠で主人公の少年はいろんなことを教えてもらったり助けてもらいましたが、今回は自分が師匠として、少女にいろいろ教えていくという話でした。弟子となったらいつかは自分も師匠になる。そうやって教わったことを後世に伝えていく、人生とはそうあるべきものなんですね。
ところでキングさんの執筆意欲はまだまだ旺盛で、続々と新作を発表されているようです。翻訳はだいたい2年後ですが、この先も楽しみにして待つことにします。